大人バカッター?

授業をしないことを大々的に歌って躍進してきた大学受験生用の塾がある。

初めて聞いたときは、「授業をしないことを強みってどういうこと?」「大学受験の予備校とか塾っていい授業を提供することに存在意義があるんじゃないの?」と仰天したが、いわゆる個別指導塾のことである。

授業を提供しない代わりに、参考書や問題集を自分でやらせて、それをチューターがアシストするのである。

今は受験参考書もわかりやすく進化しているし、授業を聞かなくても自力で本を読んだり問題を解いたりして学習を進められるのであれば、こういうやり方も十分にありだろう。

講義をいくら聞いても実際に問題演習したりしないと得点力はつかない。

また、自力で本を読んでわかるレベルの受験生なら、授業よりも本を読む方がはやいからだ。

なのでこの塾の基本的なコンセプトは支持できる。

で、授業をしないことのほかに、この塾が躍進したと思われる理由がもう一つある。

塾長からして、やり手の青年実業家という感じで、表に出ているチューターたちも若々しいのだ。
おじさんっぽさが皆無である。

今の若い人は、自分に近い年代の人と交流を持ちたがる傾向が強い。

なので、こういった若々しいイメージも、受講生を集めるうえで、非常にプラスに働いているのだろう。

ただ、若々しいのはいいのだが、ここのスタッフたちのノリが実に危なっかしい。

最近、この塾の若手チューターたちがやっているYoutubeのチャンネルが物議をかもしている。

京大出身のスタッフが法政大学の入学式にわざわざ赴いて、「君たち、本当は法政大学が第一志望じゃなかったんだよね?」などと茶化した動画が炎上し始めている。

スタッフは、大学受験生の合格をアシストする立場にいる受験産業に席を置いているにもかかわらず、晴れの舞台である入学式に赴いた新入生をバカにしているのだ。

そんなことをやらかす理由は、精神年齢が低いこともあるのかもしれないが、他にも、そういうノリが一部の大学受験生や高校生にウケていることもあるのだろう。

そのぐらいの年齢の子供たちの中には、「●●大学はいまいち」みたいなことをいうと、「本音を言ってくれた!」と支持しちゃう人が結構いるようなのである。

ただ、いい大人がそういう子どもたちのノリに感化されてバカなことをやっちゃうってのは、店舗で不潔行為をしてSNSを大炎上させたバカッターとかバイトテロをやっている人たちと変わらないんじゃないの?

バイトテロとかバカッターだって、友達から笑いを取りたいというアホな動機でやっちゃったりするわけだからね。

学歴で人を煽るのが大好きな、一部の幼く未熟な受験生たちからの支持を得るために、いい歳をした大人がせっせと悪ふざけをしちゃっているのだ。

こういう大人を見て育った子供たちの中から、今後も次々とバカッターたちが出てくるんでしょうね。

物議をかもしたyoutubeのチャンネルの方は、個別指導塾とは直接の関係はないようだけど、放置していたら●●塾の企業イメージが著しく悪化すると思いますよ。