自覚なく搾取される意識高い系

多くの業界では、公益活動というのがあります。

労働の対価を伴わないか、あるいは、労働量に見合わない対価しか出ない仕事です。
完全に無償というわけではないので、ボランティアとは違いますが、公益活動にはボランティアに近い面があります。


なんでそんな仕事をやるのかというと、「善意」や「やりがい」だったりするわけです。

自分にはどうも社会奉仕やボランティア精神というものが欠落しているようで、きちんとした給与が出ないと、モチベーションが上がりません。
仕事の内容も、不都合が出ない程度、最低ラインを多少クリアする程度(要は、お客さんから「安かったし、まあこんなもんか」と思われる程度)のクオリティになってしまいます。

 

ただ、そういった公益活動でも心から生き生きして精力を費やしてやっている人たちが結構いるんですよね。

他に収入源があったり、生活に困らないのであれば、そういう生き方もありなんじゃないかと思います。

私も、そういった人たちにはとてもかないませんが、自分が興味を持てる内容の仕事だったり、とても感じのいいお客さんだったり、感謝の気持ちをストレートに示してくれるようなお客さんだったりすると、ほとんど収入にならない場合でも、力を入れて時間を忘れるぐらい仕事に熱中することも結構あります。

そういう幸運な条件が揃うと、ほぼ、娯楽に近い喜びを得られます。
収入度外視で、やりがいを持って頑張れるわけです。

 

もっとも、周囲には、私よりもシビアな人たちがいます。

お金にならないことには一切の労力を割かないという人たちです。

ここで特に話題にしたいのが、コストを考えろとか、本当に今の生活でいいんですか?というのが口癖の、意識の高い系の人たちです。

 

だけど、そういう人たちの中にも、自分では気が付かないところで、無償に近い貢献活動をしている人がいたりするんですよね。

よくわからんセミナーや、コンテンツにお金を支払う。

とにかく使う。

 

「金持ちになる方法」みたいなセミナーに100万円払って、食事はカップラーメンで済ませたり、自販機の飲料のお金も惜しむ。

そういう人は決まって、「将来に向けた自己投資だよ」というけど、何年自己投資をしているのやら。
また、いつまで自己投資を続けるのでしょうね。

 

コンテンツって言っても、どうやったら儲かるコンテンツが作れるかというねずみ講みたいな内容だったりするわけです。

ブログの内容が、「儲かるブログ」だったりすると笑えますよね。
ブログでする話題がブログってのが滑稽です。

カメラをたくさん買っても、カメラの写真ばかりを撮るようなものです。

 

ちゃんと意味のある内容を伴っていればいいのですが、「ブロガーが教えるブログでの儲け方」みたいな内容で、意識高い系の人たちをつって熱心にお布施させるようなしょうもないものばかりです。

 

その手の意識高い系の人たちは、新興宗教にはまっている人たちと同じで、自分は真理を知っているという態度でやたらマウントを取ってきます。

そんな怪しげで自己啓発チックなものにお金使うのなら、法律や会計、語学のような実体のあるスキルを勉強したり、哲学や世界史、物理の勉強でもやって教養を身に着ける方が100倍いいです。

 

まあ、ボランティア精神旺盛な人たちがお金にならなくても公益活動を生き生きしているのと同じで、意識高い系の人たちの方も、怪しげなコンテンツをたくさん買ってインフルエンサーとやらにお布施しているだけで全然稼げていないのに生き生きしていたりするので、私のような部外者が何を言っても余計なお世話なのかもしれませんが。