竹槍精神論いまだ健在

アニメ、ちびまる子ちゃんの中で、

まる子が3点式の後席ベルトをするシーンが

あることが話題になっている。


ちびまる子ちゃんの時代設定は1970年代であり、

その当時、3点式の後席ベルトは存在しなかったからだ。


もちろん、アニメを制作している側は、

そこを十分に承知したうえで、

このシーンを入れている。


子供たちに安全意識を持ってもらうという

教育的な配慮からである。

 

これに対して、例によって、

一部から反論や批判が起きている。


批判・反論にもいくつかのパターンがあるが、

一番驚いたのが、

「大人がいろいろ配慮しすぎると、

子供の安全意識が育たない」

というものである。

 

この手の反論って、いつも出てくるよね。

 

仕組みを作るよりも、

個の自覚を育てよ

みたいな精神論にもっていこうとする。

 

だけど、よく考えてみよう。

 

昭和の頃って、現場作業する人たちが

職場で手足をなくすことが多かった。

 

それが、どんどん安全に対する意識が高まり、

安全を確保するための仕組みや工夫が次々と生まれた。

 

例えば、機械に手を挟んでしまったり、

手を切り落とされたりしないように、

機械にセンサーが設置されて、

手が入ると機械が自動的に止まるような

そういう仕組みが組み込まれるのは今では当たり前だ。


そもそも、機械の形が、最初から

手が入らないように設計されていることも多い。

 

以前は、そういう仕組みがないから、

安全意識を高め、作業中は一瞬も気を抜かないように

教育されたものだ。

 

しかし、それでも、体の一部をなくしたり、

ひどい時には命を失う人が多かった。

 

一方、安全な仕組みが普及した後は、

そういった事故はものすごく減っているからね。

 

安全意識や作業中の緊張感が失われたと

嘆くような人は、

昔のように危険な状態に戻せとでもいうのだろうか。

 

そうやってなんでも精神論にもっていこうとする論調を見ると、

戦時中、竹槍で抗戦しようとしたしようとした

いわゆる

「竹槍精神論」

はまだまだ根強いんだなと思ってしまう。

 

平成も終わりに近づいていることですし、

もっと合理的にいきましょうよ。