鬼滅の刃に興味がないという人が周囲からイラっとされるわけ

世間はまるで鬼滅の刃一色である。

 

漫画、アニメ、そして映画の大ヒット。

それにとどまらず、コラボ商品があらゆるところにあふれ、有名人、知名人の多くが鬼滅の刃について絶賛のコメントをしまくっている。

 

もちろん、どんなに大ヒットしているといっても鬼滅の刃を読んだり見たりしていない人もそれなりに多かったりする。

「気にはなっているがまだ見ていない」という人もいるだろうが、そもそも鬼滅の刃という作品自体に、あるいはアニメや漫画に興味がない人も相応にいるだろう(アニメや漫画に限らずスポーツやドラマに興味がないからサッカー代表の試合や半沢直樹に興味がない人が相応にいるのと同じ)。

 

だが、こういうご時勢なので、鬼滅の刃を見ていないなどと言おうものなら、職場の同僚などから、「信じられない!」「あれを見ずにいるなんて人生損している」などと強要される例も多数発生しているようだ。

「キメハラ(鬼滅の刃を見るようにプレッシャーを掛けられたり見ていないことを非難されるハラスメント)」という用語まで生まれているぐらいである。

 

本来であれば、何を観ようが個々人の勝手である。

そもそも、漫画やアニメは楽しむために存在してるわけで、義務教育の勉強じゃあるまいし、強要されるいわれは全くない。

 

しかし、一方では、鬼滅の刃に興味がないという人が周囲からのイライラを集めてしまう理由もわかるのである。

 

鬼滅の刃という作品や漫画、アニメに興味がないとしても、これだけ世間を席巻しているものについて興味がないというのは、言ってみれば、「私は世間の人たちの好き嫌いや動向には興味がありません」と宣言しているようなものである。

 

仮に、恋人でも子供でもいいのだが、あなたにとってとても大切が人が、何かに夢中になっていたとしたら、「どんなものだろう?」と興味がわくのが自然であろう。

 

恋人や子供に対して「最近ずっとその話ばかりしているけど、うんざりするからやめてくれない?全然興味ないし」などと言おうものなら、ガッカリされるのは目に見えている。

 

同様に、世間がこれだけ夢中になっているものについて、「何ら興味がない」と宣言するのは、「私は世間には興味がありません。あなたのことを含めて。」というのも同様である。

 

鬼滅の刃については、カズレーザーさんが、「こういう世間のブームには乗れるなら乗った方がいい」とコメントしていたと思う。カズレーザーさんはその時点で、鬼滅の刃を見ていなかった(読んでいなかった)にも拘わらずである。

 

仮に、鬼滅の刃について興味がわかず、見るつもりがないとしても、「気にはなっているんだけどね。見る時間がなくて」ぐらいにかわしておくのが大人の対応というものだろう。

幸い、鬼滅の刃を全巻買っても一万円程度で、頑張れば1日で読み切れる。

負担としては、知人の結婚式に一回参加するのと大差ない。

この程度は、世間と上手に付き合うためのコストと割り切るのもありではないだろうか。

 

とはいっても私自身はまだ読んでいないし当分読む予定もないのであるが。