未経験が資格取っても無駄?

未経験が資格を取ることに対する意見

未経験が資格を取ることについていろいろな意見がある。
見る限り、インターネットでは割と極論が多い。

資格試験予備校などのHPでは、資格を取ったらバラ色の未来が保障されるなどとうたったものが多い。

一方、5chなどの匿名サイトなどでは、未経験者が資格を取っても全く意味がなく、一生ワーキングプアのままと煽る声が多い。

周囲を見ていると、どちらも極論だと思う。

例えばここに、事務未経験の30代の女性がいたとする。
今までの仕事は立ち仕事ばかりだった。
できれば事務の仕事がしたい。
そんな人が資格を取るのは意味がないのだろうか。

結論から言えば、資格はとった方がいい。

自分が採りうる手段の中から考える

そりゃあ資格よりもその業務の経験10年ある方がいいとは思う。
でも、そもそも、若くなければ未経験の業務に就くことが難しいのだから、
「有資格+業務経験なし」<「資格なし+業務経験あり」
みたいな話をしても全く意味ないよね。

自分のとりうる選択肢の中で最高なものを選ぶしかない。
職務経験は採用側に選んでもらわなければ自分ではどうしようもないものだが、資格は自分が頑張ればとれる。

そう考えると、
「無資格+業務経験なし」と「有資格+業務経験なし」での両者で比較した方がいい。
この両者なら、後者の方がいいに決まっている。

ところが、インターネットの世界では、前者も後者も完全にイコールだから資格を取る意味もゼロだという極論がまかり通る。
これは間違い。

確かに、資格試験予備校がうたう「資格を取った後のバラ色の未来」を妄信してしまうのは問題だけど、資格を取ったことで道が開けた人は、ゆげしまの周りでも何人かいる。

私の知り合いが勤めていた某法律事務所で、事務員の欠員が出たので1人募集のところに応募が殺到した。

最後は簿記1級を取得していたことを決め手に採用したと聞いた。
その事務所では、経理事務はやっていないんだが、資格試験に合格する根気や真面目さを評価したのだとか。

事務未経験だったのに、社労士資格をとって東京で時給2千円弱でアルバイトをするようになったという女性もいる。

さすがに簿記1級や社労士試験は難しいので、努力しても誰でも取れるというわけではない。

簿記2級と3級だったらどうか

もっと身近な資格では、簿記2級や3級。

簿記2級や3級で事務未経験から事務職に就いた人もいた。
事務未経験だったので、資格を取った直後はいい仕事がすぐには見つからなかった。
そこで、最初に、未経験可で条件がそれほど良くない所に応募した。
ハッキリ言って、時給が低い。

近くのスーパーマーケットの時給の方がいいぐらいだった。
でも、その人はあえてそこを選んだ。
そして、二年ほど経験を積んで、転職した。
今度は有資格の経理事務の経験者として。

確かに、資格を取ったところでバラ色の未来が保障されるなんてことはない。

ただ、期待をし過ぎなければ、そして、一気に条件のいいところに入るのではなく、段階を踏んでいくという気持ちがあれば、資格って十分に役に立つものなんだよね。

採用の実際

ゆげしまも、中小零細企業だったけど事務職の求人面接を担当するなど採用にかかわったことがある。

採用では、経営者、あるいは、今の従業員たちにとって一緒に働きたい人を探すというのが一番大きい。

中小企業が人を募集する場合、人手が足りないケースが多いわけで、経験者なら、手取り足取り教えなくてもそこそこ動いてくれるから、大分楽だ。

だから、多人数の中から1人2人しか採用しない場合には、資格があっても、未経験というのはかなりのハンデを負う。

ただ、条件によっては、都合よくこちらが求めている人が応募してくれない場合もある。

そういうときに、何の裏付けもなく「頑張ります!」「やる気があります!」という人と、未経験でも業務に関係した資格を持っている人と、どちらの人を採用したいと思うかだよね。

やはり、資格は取っておくに越したことはない。

余談

完全に余談です。

職歴はないが高い学歴と高難易度の資格を持った人が応募してきたことがありました。

私は採用に反対しました。

他の従業員との均衡もあり、うちの職場で見合う待遇を用意できない可能性が高いと思ったからです。

しかし、ほかの担当者たちは、「こんな能力が高い人はもう来てくれないかもしれない、採用見送りはもったいない・・・」と色めき立っていました。

結局、あれこれ検討した結果、採用は見送りました。

採用されるかどうかは、本当にその時の担当者次第であって、これだという鉄則みたいなものはないと思います。