ドラゴン堀江その後

AbemaTVによる「くすぶった芸能人3人+堀江貴文さんが半年の勉強で東大合格を目指す」ドラゴン堀江という番組企画は、出演者全員が不合格で幕を閉じた。

その後も、出演者たちがyoutubeで舞台裏を明かしていたりするので、完全に終わった話題というわけではない。

番組で明かされなかった様々な事実のうち、一番驚いたのが、早稲田中退と紹介されていたTawashiさんが実は1浪して東北大学に合格していたことだ。

数学を大学受験で使っていたということだからだ。

オバンドー吉川さんは理系だし、わちみなみさんも数学が入試科目にある一橋大学を志望していた。

ということは、候補者全員が英語と数学を受験で使っていたことになる。

大学受験で一番時間がかかるのが、英語と数学である。

世間的には、数学ができる人は頭がいいと思われており、論理的思考力が一番反映されると考えられている。

そういう面ももちろんあるが、私は、受験数学は英語と並んで、体育やスポーツとしての要素が強い科目だと考えている。

反復しなければ絶対に習得できないし、練習量がものをいうのである。

社会などは、教科書や参考書を読んで理解をすれば、すぐに解答欄を埋めることができる。

論述を出す大学などでは社会でも大きな構造を聞いてくるような出題もあるにはあるが、基本的には、一問一答的な勉強の積み上げでもそこそこいける。

しかし、英語と数学は、解答欄を埋めるにも、文法構造だったり数学的な論理という一定のアルゴリズムに従って処理をしなければならない。

さっと教科書を読んで解答として再現できるような代物ではない。

戦えるようにするには、理解したことを何度も訓練して体にしみこませなければならない。

数学をやっていなかった受験生が、半年で受験で戦えるレベルになるわけがないのである。

半年では、せいぜい「サインコサインってこういうことか、指数対数もようやく意味が分かってきたぞ」という段階に到達するぐらいで終わるだろう。

こんなものでは、センター試験ですら点数は取れない。

英語と数学を受験で使ったことがある人だけを候補にしたということから、番組スタッフの用意周到さを感じる。

少なくとも選定者であるホリエモンと講師は、ガチでまあまあいい勝負をする可能性がある人を選ぼうとしていたという点だ。

番組であえてTawashiさんが数学使って東北大学に合格したことを明かさなかったのも、視聴者に共感をしてもらうためだろう。

視聴者に、数学を使わずに大学に入った受験生や、数学を使わないでも入れる大学を目指す受験生が多いからだ。

そういった人たちにも夢を見てもらえるような企画でないと、共感が得られないだろうからね。 

ちなみに私も私立文系卒なので、最終的には数学は合格に寄与していません(汗)。

 

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