タメ口を使って得することはひとつもない

タメ口を使う人は悪い意味で目立ってしまう

タメ口というのは、ご存知の通り、敬語を使わない話し方のことです。

昭和のころと比べて、平成も末期になると、敬語を使う人が増えたなあと痛感します。

昔は、本当に横柄な人が多かったですね。
昭和のころは、飲食店でパチンと指を鳴らして、「君ぃ!」と偉そうに店員を呼びつけるお客が結構いたものです。

営業マンですら、取引先にタメ口を使うことが珍しくありませんでした。

それが、平成も末期になると様変わりして、相手が年少者であろうが、あまり親しくない人に対しては、敬語を使うことがデフォルトになりました。

最近では、自分がお客の立場のときでも、店員に対して敬語を使う人が増えましたね。

いいことだと思います。

今や、タメ口で話す人は珍しくなっています。

そのため、タメ口を使う人がいると、悪い意味で目立ってしまうのです。

タメ口が気になるときとならないとき

YouTubeを見ていても、タメ口で語る配信者がときどきいます。

不思議なことに、タメ口でも全然気にならない配信者と、見るのが嫌になってしまうタメ口配信者がいます。

後者の配信者の動画は、非常に興味がある内容を扱っていても、クリックする気になりません。

タメ口が気にならない場合と気になってしまう場合、何が違うのか考えてみました。

一つ気が付いたことがあります。

アドリブ的にライブ感満載で話している配信者の場合、タメ口を使っていてもあまり気にならないのです。

そういった動画は、親しい知り合いの話を聞いているような感覚で見ることができるからだと思います。

一方、手堅く台本的に話している配信者がタメ口って、なんというか、聴いている側としても非常に抵抗がありますね。

大して親しくもない人からタメ口で話しかけられている場合に感じる、あの不快感です。

その不快感を味わいたくないがために、そのチャンネルを視聴することがほとんどなくなってしまうのです。

YouTubeは見てもらってナンボでしょうから、本当に損をしていると思います。


日常生活でも、タメ口で話しかけているのに相手に不快感を与えない人がいます。

一方で、タメ口で話しかけて相手をイラっとさせてしまう人もいます。

何が違うのでしょうか。

愛嬌とか人間力みたいなものが関係しているのかもしれません。

気前がよいか、面倒見がよいかなどの事情が関係しているのかもしれません。

ケチなのに横柄な人って、最悪ですからね。


いずれにしても、「人にタメ口で話しかけても不快感を与えない」というのは、一つの才能だと思います。

自分にそういった才能があるとは限りませんから、タメ口は使わない方が無難です。

自分にはそういう才能があると思っていても、実は単なる思い込みに過ぎない場合もあります。

タメ口で話しかけられた人がニコニコ笑顔でいても、その人の本心は分かりません。

本当は、イライラしているのかもしれません。

言葉遣いが原因で、人から避けられてしまうなんて、大損としか言いようがないですよね。

店員に対してもタメ口は避けるべき

お客が店員にタメ口で話すことは、社会的にある程度は大目に見られています。

立場が変わり、店員がお客の立場であなたの商品やサービスの提供を受ける場面では、逆に、あなたにタメ口で話しかける可能性もあります。

お客とサービス提供者、立場によって言葉が変わるだけなので、公平といえば公平なのかもしれません。

ただ、そうはいっても、やはりタメ口は使うべきではありません。


店員さんにも丁寧に話す方が絶対に好かれるし、得をします。

店員さんも人間ですから、自分が敬意をもって接してもらっているかどうかで当然、相手に対する思いは変わってきます。

手に入りにくい商品を注文するようなときなどは、丁寧に接していれば、なんとか入手してくれるかもしれません。

売れ残りそうな商品が残っているようなときは、サービスで余分につけてくれるかもしれません。

感じよくしていれば、店員さんもあなたのために多少の無理をしてくれたり、融通を聞かせてくれるかもしれません(もちろん、店員さんが自主的にやってくれるのではなくてこちらから強く要求するようなことをするとクレーマーになってしまいますが・・・)。

丁寧に話す人は好かれる

以前の勤め先に、ちょい悪っぽい風貌なのに、人と話すときは仮に自分よりも年下でも、例外なく敬語を使い、「~さん」とつける男性がいました。

20歳ぐらい年下の男の子に対しても、「~君」ではなく、「~さん」と呼ぶのです。

その人はみんなから、めちゃくちゃ好かれていました。

その人が過労で倒れてしまって、仕事に穴をあけそうになった時でも、職場にいる人間が誰も不満を漏らさず、それどころか、率先して、競い合うように、その人の仕事をカンペキにフォローしたのです。

彼が完治して職場に復帰するとの知らせをうけたときは、みんな、大喜びでした。

やばり、丁寧に話す人は好かれるのです。

逆に、横柄な人は、損をします。

もちろん、横柄だったり偉そうでも好かれる人はいます。

ただ、そういう人は、人の好感を得るにあたって、「横柄な態度」という大きなハンデを人間力で克服しているわけです。

逆に言えば、礼儀正しい態度だったら、もっともっと好かれているはずです。


大事なことなのでもう一度強調したいと思います。

相手が誰であれ、タメ口を使って得することは一つもありません。